AIと医療①
AIという言葉を聞いたことが無い人はいないと思います。
AIとはなんの略でしょうか?
AIはArtificial Intelligenceの略語、つまり日本語では人工知能と訳されることが一般的だと思います。
ちまたに「AI」があふれる昨今。
電化製品店に行けば当たり前のように「AI搭載」と、うたっています。ネット上でも「AIが判断!」といった表現を目にしないことはありません。
猫もしゃくしもAIの状況です。
ではAIとは何でしょうか?
一言でいうと、「知能」とあるように、人間と同様に頭を使って情報を処理することができる機械と表現できるかと思います。
「人間の物まね?」というとそんな単純なものではありません。
例えば、最近話題のChat GPT。
これは生成系AI(Generative AI)と言われるAIの代表になりますが、こちらが出す問いに対してかなり正確に答えてくれます。
Microsoft社の検索エンジン「Bing」に2023年2月にAIチャット(生成系AIのひとつ。)が搭載されました。これは先のChat GPTの技術を利用しています(Microsoft社がChat GPTの開発会社に多額の出資をしておりパートナー関係にあるためこんなことが出来るわけです。)。
では例えば、
「星野敢について教えてください。」と問いを入力してみます。その結果が下のようになります。
「たった4行かい?」と突っ込みたくはなりますが、本当に10秒も待たないでこのような答えを返してくれるわけです。
なぜこんなことが出来るのでしょうか?
それはこういった生成系AIという技術がネット上で転がっている何十億もの言語データを一瞬で確認し、ある言葉の次にはある言葉が来るということを統計学的に予測し文章を作り出すことが出来るからです。
確かに上の回答をみても物足りなさは感じるかもしれませんが、極めて便利であるとともに脅威であることには違いありません。
今後、この技術がどんどん進歩することで人の仕事の多くがAIに移行する可能性が十分にあります。
また、大学のレポートなども生成系AIで多くの部分が代替可能となっています。
そのため、大学や先進国を中心に生成系AIの利用について何らかの制限を設けようともされています。
ただ、一瞬で膨大な情報を処理するAIの能力にはやはり大きな魅力があります。
実際に、医学の世界でもさまざまな分野でこのAIの技術が利用されてきています。
私は、現在も千葉県がんセンターの食道胃腸外科、千葉大学医学部の放射線科、千葉大学工学部の先生達とこのAIの技術を用いて医療に応用できないかと研究を行っております。
医学におけるAI利用、実際私が現在おこなっている試みなども今後簡単にご紹介する機会を頂ければと思います。
2023年5月14日
きらりクリニック習志野台中央
院長 星野 敢