じんましん(蕁麻疹)
じんましん(蕁麻疹)とは
皮膚に赤みや腫れ、かゆみなどが現れるアレルギー性の症状の一つで、特に異常な刺激がなくても急に発生することがあります。痒みや赤みは、身体の表面に発生する浅い部位の血管や組織が一時的に拡張・充血することで起こります。蕁麻疹の症状は一般的には数時間~1日程度で治まりますが、場合によっては何日も続くこともあります。
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚の表面に発疹や腫れが生じ、かゆみや痛みを伴う症状です。以下に詳細を記します。
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発疹や腫れ: 蕁麻疹は、皮膚表面に発疹や腫れを生じることが特徴です。発疹は、様々な形状を取ることがあり、一般的には赤く盛り上がっています。
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かゆみや痛み: 蕁麻疹によって、かゆみや痛みを感じることがあります。かゆみは、発疹が出来る前から感じられることもあります。
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神経質になる: 蕁麻疹の症状が重い場合、患者は不安や緊張感を感じ、自分の体の状態を神経質になることがあります。
蕁麻疹の症状は、個人差があります。軽度の場合は、一時的なかゆみ程度で、症状が軽減するために市販薬を用いることができますが、重度の場合は、病院で診察を受け、専門医の治療が必要になることがあります。
じんましん(蕁麻疹)の原因
蕁麻疹の原因には、さまざまなものがあります。アレルギー反応が最も一般的な原因ですが、非アレルギー性のものもあります。以下に詳しく説明します。
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アレルギー性蕁麻疹:花粉、ダニ、ペットの毛やフケ、食物、薬物などのアレルゲンが原因となる蕁麻疹です。アレルギー反応により、免疫系が過剰に反応して、組織中にヒスタミンなどの炎症物質を放出し、蕁麻疹が発生します。
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非アレルギー性蕁麻疹:ストレス、風邪、病気、熱、日光、水、接触物質、細菌、ウイルス、体温変化など、アレルギー以外のさまざまな原因があります。これらの原因により、血管拡張や血管透過性の亢進が生じ、蕁麻疹が発生します。
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物理的蕁麻疹:寒冷、摩擦、圧迫、振動、紫外線など、物理的刺激によって引き起こされる蕁麻疹です。
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免疫学的蕁麻疹:抗体と結合することによって引き起こされる蕁麻疹で、血管壁に免疫細胞が集まり、血管壁を通して膨疹が出来上がるとされています。
蕁麻疹は、多くの場合、特定の原因がわからない場合があります。これを特発性蕁麻疹といいます。
じんましん(蕁麻疹)の予防法
蕁麻疹の予防法については、以下のようなことが挙げられます。
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トリガーとなる物質を避ける:蕁麻疹を引き起こす原因物質に対しては、できるだけ避けることが重要です。アレルギー反応を引き起こす原因物質に対しては、衣服や寝具、化粧品、清掃用品などに含まれないように気をつけることが大切です。
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ストレスの軽減:ストレスはアレルギー反応を増強させることが知られています。ストレスを感じる場合には、十分な睡眠をとったり、リラックスする時間を持つようにしましょう。
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食事の改善:食べ物によっても蕁麻疹が引き起こされることがあります。アレルギー反応を引き起こす可能性がある食品に対しては、できるだけ避けることが望ましいです。
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日焼け対策:紫外線は蕁麻疹を引き起こす原因の1つとなることがあります。日焼け止めを塗ったり、帽子やサングラスを着用することで紫外線から肌を守るようにしましょう。
ただし、蕁麻疹の原因が明らかでない場合もあります。その場合には、医師に相談して原因の特定や対処方法を確認することが大切です。
じんましん(蕁麻疹)の治療法
蕁麻疹の治療法は、原因を特定して除去することができればそれが最も効果的な治療法となりますが、原因がわからない場合や特定の物質に対する過敏症がある場合は、以下のような治療法があります。
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抗ヒスタミン薬:蕁麻疹の主な原因となるヒスタミンの働きを抑制する薬物で、症状の軽減に効果があります。市販の抗ヒスタミン薬もありますが、一般的に処方される抗ヒスタミン薬の方が効果が得られやすいと考えます。
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ステロイド薬:症状が強い場合には、ステロイド薬の局所投与や内服が行われることがあります。しかし、長期間使用する場合は副作用のリスクがあるため、医師の指示に従う必要があります。
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抗炎症薬:症状が強い場合には、炎症を抑制するために抗炎症薬が使用されます。
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エピネフリン注射:アナフィラキシーショックなどの重症例では、エピネフリン注射が必要となる場合があります。この注射は、呼吸困難や循環不全などの緊急性が高い症状に効果的です。
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光線療法:一部の患者に対して、光線療法が行われることがあります。この療法は、病巣に対して光を当てることで症状を緩和する治療法です。
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その他:その他、ストレスマネジメントや栄養療法、蕁麻疹を引き起こす食品や薬物の避け方など、個々の状況に合わせた治療が行われることがあります。
じんましん(蕁麻疹)の治療薬の種類
蕁麻疹の治療には、以下のような種類の薬物が使用されます。主に本邦では1.抗ヒスタミン薬、2.ステロイド薬が用いられます。
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抗ヒスタミン薬:蕁麻疹によるかゆみや発疹を和らげるために使用されます。第1世代と第2世代に分類されます。第1世代の代表的な薬物にはジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ブロムフェナク、デキストロクロルフェニラミンなどがあり、眠気や口渇などの副作用が見られます。第2世代の代表的な薬物にはセチリジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、レボセチリジン、デザロルタジンなどがあり、副作用が少ないため、より広く使用されています。
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ステロイド剤(グルココルチコイド):重症の蕁麻疹やかゆみを伴う皮膚疾患の治療に使用されます。塗布剤や内服剤があり、効果的である一方、長期使用による副作用が懸念されます。
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抗炎症剤:蕁麻疹の原因になる炎症を抑えるために使用されます。保険適応外ですが代表的な薬物にはクロルプロマジン、カルシウムチャネル拮抗薬、コルヒチンなどがあります。
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抗アレルギー薬:アレルギー反応による蕁麻疹に対する治療に使用されます。代表的な薬物にはクロモグリク酸ナトリウム、抗IgE抗体薬などです。
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その他の薬物:蕁麻疹のかゆみや痛みを和らげるための薬物も使用されます。保険適応外ですが代表的な薬物にはトラマドール、ガバペンチン、カプサイシンなどがあります。
なお、蕁麻疹の治療には、かゆみや発疹の症状に対する対症療法に加え、原因となるアレルギー反応を改善するための予防療法が重要となります。