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胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、消化管の上部にある粘膜が損傷し、穴が開いた状態を指します。胃潰瘍は胃の内側、十二指腸潰瘍は小腸の上部に位置します。これらの病気は胃腸潰瘍とも呼ばれます。

の症の症。これらが一般的ですが他の症状が生じる場合もあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の定義

胃潰瘍とは、胃壁の表面を傷つけ、潰瘍(穴)ができる病気のことです。十二指腸潰瘍とは、十二指腸(胃と小腸の間の一部)の壁に潰瘍ができる病気のことを指します。どちらも消化器官の病気であり、主に胃酸やピロリ菌感染、ストレス、食生活の乱れなどが原因として関与しています。症状は、胃痛、腹痛、吐き気、食欲不振、下痢や便秘などの消化器症状が見られます。治療方法には、胃酸を抑える薬やピロリ菌の除菌、ストレス管理などがあります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍を確定診断するために、以下のような検査が一般的に行われます。

  1. 内視鏡検査:内視鏡を用いて、胃や十二指腸の内部を観察し、潰瘍の有無や大きさ、形状、位置などを確認します。また、生検(組織を採取して顕微鏡で観察すること)を行うことで、病理組織学的な診断を下すこともできます。

  2. バリウム造影検査:バリウムを飲ませてレントゲン撮影することで、胃や十二指腸の内部を観察し、潰瘍の有無や大きさ、形状、位置などを把握することができます。

  3. 血液検査:潰瘍が原因で生じる貧血や炎症反応を調べることができます。

これらの検査を組み合わせることで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の確定診断を行うことができます。ただし、胃がんや十二指腸がんなど、他の疾患と混同されることがあるため、診断が確定した場合は適切な治療を行うことが必要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な原因は、胃や十二指腸の内壁を守る粘膜を傷つける胃酸やペプシンなどの消化液の過剰な分泌や、粘膜にダメージを与えるヘリコバクターピロリ菌の感染です。

また、ストレスや喫煙、アルコールの過剰摂取、過度の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用、過敏性腸症候群、血液循環障害、高齢化などもリスクファクターとなります。過敏性腸症候群やストレスは胃腸の運動機能を低下させるため、消化液が胃や十二指腸内に留まり、粘膜を傷つける可能性があります。また、高齢化に伴う胃酸分泌量の低下も、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となることがあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防法

胃潰瘍・十二指腸潰瘍を予防する方法は、以下のようなものがあります。

  1. 食生活の改善:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因のひとつに、胃酸の過剰分泌があります。このため、食事による胃酸の刺激を減らすことが予防につながります。具体的には、脂肪分の多い食品、辛いもの、アルコール、コーヒーや紅茶などのカフェインを控えめにし、食物繊維やビタミンCが豊富な野菜や果物を積極的に摂取するように心がけましょう。

  2. ストレスの軽減:ストレスは胃酸の分泌を促進させるため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍のリスクを高めます。ストレスを軽減する方法としては、リラックスするための趣味や運動を取り入れたり、ストレス解消効果があるとされるヨガや瞑想を試してみたりすることが挙げられます。

  3. 喫煙の禁止:タバコは胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因のひとつとされています。タバコを吸うことで胃酸分泌が増加するため、喫煙を控えるか、禁煙することが予防につながります。

  4. 適度な運動:適度な運動は胃腸の動きを促進し、胃酸の分泌を調整することができます。運動不足の人は、有酸素運動を取り入れて身体を動かすようにしましょう。

  5. 薬物療法:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因には、ヘリコバクターピロリ菌が関与することがあるため、ヘリコバクターピロリ菌を退治するための抗生物質の服用が必要な場合があります。また、胃酸を中和する薬剤や、胃酸分泌を抑える薬剤を使うことで、症状の改善や再発予防ができます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療法

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療法は、潰瘍の原因によって異なりますが、一般的には以下のような治療法があります。

  1. 抗生物質の投与:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の一つである、Helicobacter pylori(ピロリ菌)の感染が疑われる場合には、抗生物質を使用して感染菌を除菌する治療が行われます。

  2. 制酸薬の投与:胃潰瘍・十二指腸潰瘍によって胃や十二指腸の壁が傷つくと、胃酸が潰瘍部に流れ込んで炎症を引き起こすことがあります。このため、胃酸の分泌を抑える制酸薬が使用されます。代表的なものにプロトンポンプ阻害薬(PPI)があります。

  3. 抗炎症薬の投与:潰瘍の炎症を鎮めるために、抗炎症薬が使用されることがあります。例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による潰瘍の場合には、NSAIDsを中止することで炎症を抑えます。

  4. 栄養療法:潰瘍が大きく、出血や穿孔の危険性がある場合には、経口摂取が困難な場合があります。この場合には、点滴栄養や胃ろうなどによる栄養療法が行われます。

  5. 外科的治療:胃潰瘍・十二指腸潰瘍によって生じた穴が大きく、重度の出血が起きた場合、穿孔が起きて腹膜炎を生じた場合や、潰瘍の治療がうまくいかない場合には、外科的治療が必要となることがあります。

治療法は個人によって異なり、医師と相談しながら治療計画を立てる必要があります。また、潰瘍が治癒した後も、胃酸分泌を抑える薬の服用や、生活習慣の改善が必要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の内服薬の種類

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の内服薬には以下のような種類があります。

  1. プロトンポンプ阻害剤(PPI): 胃酸の分泌を抑制し、潰瘍の治癒を促進する薬剤です。一般的には朝食前に空腹時に服用します。

  2. H2ブロッカー: 胃酸の分泌を抑制する薬剤で、PPIと同じように潰瘍の治癒を促進します。主に夜間に胃酸の分泌が多くなるため、寝る前に服用することが推奨されています。

  3. 抗生物質: 胃潰瘍・十二指腸潰瘍が原因となる菌、Helicobacter pylori(H. pylori)の除菌に用いられます。H. pyloriが原因である場合は、抗生物質の投与が必要です。

  4. 胃粘膜保護剤: 胃酸や胃液の刺激から胃や十二指腸を守る働きを持つ薬剤です。潰瘍の治癒を促進する効果もあります。

  5. 抗炎症薬: 潰瘍が炎症を起こしている場合に用いられます。潰瘍を治癒させることで炎症を軽減する効果があります。

これらの内服薬は、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。また、服用中に副作用が現れた場合には、すぐに医師に相談するようにしましょう。

以下に一般的に使用される胃潰瘍・十二指腸潰瘍の内服薬を表にまとめます。

種類 薬物名 作用機序
PPI ランソプラゾール(商品名:タケプロン、ランソプラゾール等)、エソメプラゾール(商品名:ネキシウム等)、オメプラゾール(商品名:オメプラゾール等)など 胃酸分泌を抑制する
H2ブロッカー ファモチジン(商品名:ガスター、ファモチジン等)、ラニチジン(商品名:ラニチジン)など 胃酸分泌を抑制する
カリウム競合型アシ ッドブロッカー(P-CAB) ボノプラザン(商品名:タケキャブ) 胃酸分泌を抑制する
抗生物質 アモキシシリン、クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリチン)など ヘリコバクターピロリ菌の除菌を目的とする
ムコセラント テプレノン(商品名:テプレノン) 胃粘膜保護を目的とする
選択的ムスカリン受容体拮抗薬 ピレンゼピン塩酸塩水和物(商品名:ガストロゼピン)、チキジウム臭化物(チアトン)など 胃酸分泌を抑制する
抗コリン薬 ブチルスコポラミン臭化物(商品名: ブスコパン)、プトロピウム臭化物(商品名:コリオパン)、チメピジウム臭化物水和物(商品名:セスデン)、プロバンテリン水和物(商品名:プロ・バンサイン) 鎮痙・および消化管運動機能抑制目的とする

ただし、内服薬の種類や量は医師の診察結果や判断によって異なる場合がありますので、自己判断せずに医師の指示に従って適切に治療を行うようにしてください。

 

 

 

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