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急性膵炎

急性膵炎とは

急性膵炎(きゅうせいすいえん)とは、膵臓の急性の炎症を指す疾患です。膵臓は、胃と十二指腸の間に位置する消化器官で、消化酵素やインスリンなどのホルモンを分泌しています。急性膵炎は、消化酵素が膵臓内で活性化してしまい、自己消化を引き起こすことで起こります。炎症が進行すると、膵臓の細胞や組織が壊死(えし)することもあります。重症化すると膵臓だけでなく、肺、腎臓、心臓、脳などにも損傷が及ぶことがあり、重篤な状態に陥る場合もあります。急性膵炎は、高脂血症、アルコール摂取過多、膵臓の外傷などが原因となることが多い疾患です。

急性膵炎は、膵臓の急激な炎症を示す疾患であり、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 腹痛: 急性膵炎の最も一般的な症状は、急激な腹痛です。この痛みは、背中から腹部にかけて、非常に強い場合があります。痛みは、食事後に悪化することが多く、横たわっていると痛みが和らぐことがあります。

  2. 吐き気・嘔吐: 腹痛と同様に、吐き気や嘔吐も急性膵炎の一般的な症状です。嘔吐は、痛みや膵臓の炎症が胃や十二指腸を刺激して引き起こされる場合があります。

  3. 発熱: 急性膵炎の症状には、発熱が含まれる場合があります。発熱は、炎症による免疫反応の結果として引き起こされることがあります。

  4. 腹部膨満感: 急性膵炎により、膵臓の周りの組織が腫れることがあり、腹部膨満感が生じる場合があります。

  5. 下痢: 急性膵炎が消化酵素の放出を妨げることがあるため、下痢が生じる場合があります。

  6. 脱水: 吐き気や嘔吐、下痢などにより、体内の水分が失われるため、脱水症状が現れることがあります。

急性膵炎は、症状が急激に進行するため、早期に医師の診断を受けることが重要です。

急性膵炎の定義

急性膵炎とは、膵臓に急性の炎症が起こる病気のことを

指します。膵臓は、胃や小腸からの消化酵素を分泌する役割を持っていますが、これらの酵素が膵臓内で過剰に分泌されることで、膵臓の組織が消化されてしまい炎症が起こるとされています。

急性膵炎は、重症化すると肺炎や腎不全などの合併症が出現し、命にかかわることもあります。したがって、早期発見・早期治療が必要です。

急性膵炎の診断には、以下の検査が一般的に用いられます。

  1. 血液検査:血清アミラーゼと血清リパーゼの測定

急性膵炎の場合、アミラーゼとリパーゼの値が上昇します。しかし、これらの酵素値は炎症が起きる前に上昇する場合もあるため、特異性に欠けます。

  1. イメージング検査
  • 超音波検査:膵臓を超音波で観察し、炎症や腫瘤などの有無を調べます。
  • コンピュータ断層撮影(CT):膵臓と周辺の臓器を詳細に観察し、膵炎の原因や程度を調べます。
  • 磁気共鳴画像法(MRI):CTと同様に、膵臓や周辺の臓器を詳細に観察し、膵炎の原因や程度を調べます。
  1. その他の検査
  • 尿アミラーゼの測定:尿中のアミラーゼの量を測定し、急性膵炎の診断に役立てます。

これらの検査を組み合わせて、急性膵炎の診断や原因の特定、合併症の有無などを確認します。

急性膵炎の原因

急性膵炎の原因は、主に以下のようなものが知られています。

  1. アルコールの過剰摂取:アルコールは、膵臓の細胞にダメージを与えることがあります。特に、長期間にわたってアルコールを過剰に摂取している場合には、膵炎を引き起こす可能性が高くなります。

  2. 膵管の閉塞:膵臓から胆管につながる膵管が閉塞(へいそく)されることがあると、膵液が膵臓内にたまり、炎症を引き起こすことがあります。閉塞の原因には、胆石や膵臓内腫瘍、外傷などがあります。

  3. 膵臓外傷:膵臓は、腹部の前面に位置しているため、交通事故やスポーツなどで腹部を強打することがあると、膵臓に損傷を与えることがあります。

  4. 感染症:急性膵炎は、感染症によっても引き起こされることがあります。胆嚢炎や胆管炎、腸閉塞などが、膵炎を引き起こす可能性があります。

  5. 遺伝的な要因:稀に、遺伝的な要因によって急性膵炎が発生することがあります。例えば、特定の遺伝子に異常がある場合には、膵炎を発症するリスクが高まるとされています。

急性膵炎の予防法

急性膵炎の予防法には以下のようなものがあります。

  1. アルコールや脂肪の過剰摂取を避ける:急性膵炎の主な原因の一つに、長期的なアルコールや脂肪の過剰摂取があります。これらの摂取を減らすことで、急性膵炎を予防することができます。

  2. 過度な飲酒を避ける:急性膵炎の原因の一つに、大量のアルコールの摂取があります。適度な飲酒に留めることで、急性膵炎を予防することができます。

  3. 健康的な食生活を維持する:健康的な食生活を維持することで、肥満や高脂血症、糖尿病などのリスクを下げることができます。これらの疾患は、急性膵炎のリスクを高めることがあります。

  4. 薬物の適切な使用:薬物の適切な使用や、処方された量と頻度に従うことで、急性膵炎を予防することができます。一部の薬剤は急性膵炎の原因となることがありますので、医師の指示に従うことが重要です。

  5. 適度な運動をする:適度な運動をすることで、肥満や高脂血症、糖尿病などのリスクを下げることができます。これらの疾患は、急性膵炎のリスクを高めることがあります。

  6. 膵炎のリスクのある人は医師の指示に従う:膵炎のリスクのある人(過度なアルコール摂取者や膵臓に関連する疾患を持つ人など)は、医師の指示に従うことが重要です。医師からのアドバイスに従うことで、予防や早期発見ができるため、急性膵炎のリスクを下げることができます。

急性膵炎の治療法

急性膵炎の治療法は、患者の症状、重症度、合併症などに応じて個別に決定されます。以下は一般的な治療法です。

  1. 入院と安静:急性膵炎の場合、患者は入院し、安静にする必要があります。食事は絶対に禁止され、栄養素を静脈内に投与する場合があります。

  2. 疼痛のコントロール:急性膵炎による激しい疼痛を和らげるために、鎮痛剤が使用されます。重症の場合、オピオイド系の鎮痛剤が使用されることがあります。

  3. 液体補給:急性膵炎の場合、膵臓からの消化酵素が腫れた膵臓を攻撃するのを防ぐために、胃腸管内の活動を最小限に抑える必要があります。このため、飲み水や点滴などを使用して、患者に液体を補給する必要があります。

  4. 感染症の予防:患者が感染症を起こさないよう、予防措置がとられます。たとえば、抗生物質が使用されることがあります。

  5. 膵炎の原因を治療する:膵炎の原因となった胆石症、アルコール中毒、高トリグリセリド血症などの病態に対して治療を行います。

  6. 手術:急性膵炎の合併症、または極めて状況が重症の場合は、手術が必要になることがまれにあります。

治療には個人差があり、治療方法は患者の状態や病因に応じて異なる場合があるため、医師の指示に従って治療を行うことが重要です。

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