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慢性膵炎

慢性膵炎とは

慢性膵炎とは、膵臓が慢性的な炎症を起こす疾患です。炎症が長期間続くことで、膵臓の組織が壊れてしまい、線維化や萎縮が進行します。この結果、膵臓の機能が低下し、消化酵素やホルモンを分泌する能力が弱まります。

慢性膵炎は、急性膵炎の繰り返しや、長期間のアルコールの過剰摂取、膵臓の先天的な異常、膵臓に対する自己免疫反応、胆石症、高脂血症などが原因となって発症することが多く、年齢や性別による差はあまりありません。また、肥満や糖尿病などの生活習慣病も慢性膵炎のリスク因子とされています。

慢性膵炎は、長期間にわたって膵臓が炎症を起こす状態であり、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 腹痛: 慢性膵炎の最も一般的な症状は、腹痛です。痛みは、食事後やアルコール摂取後に悪化することが多く、痛みの場所は、膵臓の位置に近い上部腹部に局在することが多いです。

  2. 消化不良: 慢性膵炎は、消化酵素の分泌を阻害するため、消化不良の症状が現れることがあります。食べ物を消化することができず、脂肪便や便秘などの症状が現れることがあります。

  3. 体重減少: 消化不良や食欲不振により、体重減少が生じることがあります。

  4. 疲労感: 慢性膵炎の症状には、疲労感が含まれる場合があります。これは、慢性炎症が免疫系に影響を与えることによって引き起こされる可能性があります。

  5. 糖尿病: 慢性膵炎は、膵臓の機能低下により、糖尿病を引き起こすことがあります。これは、膵臓がインスリンを作り出せないため、血糖値が上昇することが原因です。

  6. 腹部膨満感: 慢性膵炎により、膵臓の周りの組織が腫れることがあり、腹部膨満感が生じる場合があります。

慢性膵炎は、症状が進行する場合があるため、早期に医師の診断を受けることが重要です。また、慢性膵炎になる原因として、アルコールの摂取、高脂肪食、胆石症、遺伝的素因、自己免疫疾患などがあるため、これらを避けるようにすることも大切です。

慢性膵炎の定義

慢性膵炎とは、膵臓が長期間にわたって炎症を起こし、損傷や組織の変性が生じている状態を指します。炎症によって膵臓内に腫れが生じ、正常な機能を維持するための組織が破壊され、膵臓酵素が分泌されにくくなります。また、膵臓内にうっ滞した消化液が膵管に圧迫を与え、膵管の狭窄や閉塞を引き起こすこともあります。慢性膵炎は、繰り返し起こる急性膵炎が原因で発症することが多く、進行すると機能不全やがん化することがあります。

慢性膵炎の診断には、以下の検査法が用いられます。

  1. 血液検査: 慢性膵炎患者では、白血球数、炎症マーカーであるC反応性タンパク(CRP)、糖尿病の有無に関する検査、膵酵素であるアミラーゼやリパーゼの値などが異常に高くなることがあります。

  2. 超音波検査: 超音波検査は、膵臓の形状、サイズ、状態を評価するのに有効です。慢性膵炎では、膵臓の形状が変形していることがあります。また、石灰化や腫瘍の存在を見つけることができます。

  3. CTスキャン: CTスキャンは、膵臓と周囲の組織の状態をより詳しく見ることができます。膵臓の腫れ、炎症、石灰化、狭窄部位などを見つけることができます。

  4. MRIスキャン: MRIスキャンは、膵臓の異常をより詳しく見ることができます。慢性膵炎では、膵臓の線維化や液体がたまっている状態を見つけることができます。

  5. 内視鏡的超音波検査(EUS): EUSは、内視鏡に超音波プローブを取り付け、膵臓の内部の状態を詳しく見ることができます。EUSを使用することで、狭窄部位や膵臓内の石灰化や液体を見つけることができます。

  6. 膵臓の生検: 膵臓の生検は、診断には確実な方法ですが、比較的危険が伴うため、最後の手段として用いられます。通常は、超音波やCTスキャンのガイド下で行われます。

慢性膵炎の原因

慢性膵炎の原因は様々で、主にアルコール摂取、胆石症、高脂血症、遺伝的要因、薬剤性、外傷性などが挙げられます。

アルコール摂取が最も一般的な原因で、長期にわたる大量のアルコール摂取が慢性膵炎のリスク因子となります。胆石症も慢性膵炎の原因の1つで、胆嚢内にある石が胆管を通じて膵臓の導管を詰まらせ、膵臓内の消化酵素が蓄積され、炎症を引き起こすことがあります。高脂血症や高カルシウム血症も、膵臓の炎症を引き起こす原因となることがあります。

遺伝的な要因も、慢性膵炎の原因となります。特定の遺伝子の変異が、膵臓の消化酵素を制御する仕組みを損ない、炎症を引き起こす可能性があります。また、一部の薬剤は、膵臓の炎症を引き起こすことがあります。外傷によっても、膵臓の炎症を引き起こすことがあります。

慢性膵炎の予防法

慢性膵炎の予防法については、以下のような方法があります。

  1. アルコールの適量摂取 ;慢性膵炎の主な原因の1つが長期間のアルコールの過剰摂取であるため、アルコールの適量摂取が必要です。アルコールの摂取量には、性別、年齢、体重などが影響するため、医師と相談して適切な量を決定する必要があります。

  2. 健康的な食生活 :慢性膵炎の発症と関連がある高脂肪、高カロリー、高塩分の食品を避け、野菜や果物、整った食物繊維を含む食品を中心とした健康的な食生活を心がけることが重要です。

  3. タバコをやめる :タバコの喫煙は、慢性膵炎のリスクを増加させるため、禁煙することが望ましいです。

  4. 薬物の適正使用: 慢性膵炎は、長期的な薬物の摂取によって引き起こされる場合があります。薬物を適切に使用し、必要以上に長期的に摂取しないことが重要です。

  5. 慢性膵炎に関する遺伝子検査 :慢性膵炎は、遺伝子によって引き起こされる場合があります。家族に慢性膵炎の症例が多い場合、遺伝子検査を受け、早期発見に努めることが重要です。

上記の予防法は、慢性膵炎のリスクを減らすために役立ちますが、すでに発症している場合には、適切な治療を受ける必要があります。

慢性膵炎と膵臓癌の関係

慢性膵炎と膵臓癌には関連性があります。慢性膵炎は、膵臓組織の炎症を引き起こし、時間が経つにつれて繰り返されることがあります。長期間にわたる炎症が続くと、膵臓の組織が傷つき、瘢痕組織が形成されます。この瘢痕組織が膵臓癌の発生につながる可能性があります。

慢性膵炎は膵臓癌のリスク因子の一つとされており、長期間にわたって慢性膵炎を患っている人は、膵臓癌を発症するリスクが高くなることが知られています。また、アルコールの過剰摂取も慢性膵炎や膵臓癌のリスク因子とされています。慢性膵炎を発症した場合は、定期的なフォローアップや生活習慣の改善など、適切な治療を行い、膵臓癌の発生を予防することが重要です。

慢性膵炎の治療法

慢性膵炎の治療法には、以下のようなものがあります。

  1. 基礎治療: 慢性膵炎の症状を軽減するために、消化酵素補充剤、疼痛緩和薬、酵素阻害剤、膵液量を抑制する薬などを使用することがあります。また、膵炎の原因となっているアルコールや喫煙を避けることも重要です。

  2. 栄養補給: 膵炎患者は、消化機能が低下するために栄養不足に陥りがちです。そのため、消化酵素補充剤やビタミン剤などを使用し、栄養補給を行う必要があります。

  3. 内視鏡的治療: 膵炎患者には、膵管が狭くなることがあります。この場合、内視鏡的治療法を使用して、膵管を拡張することができます。

  4. 手術: 膵炎が重度である場合や、合併症がある場合は、手術が必要となる場合があります。手術の目的は、病変を取り除くことや、膵液が排出されるように膵管を再建することなどです。

以上の治療法は、症状の改善や合併症の予防に役立ちますが、膵炎の進行を完全に止めることはできません。そのため、慢性膵炎患者は、症状の悪化を防ぐために、定期的な検査や治療を受ける必要があります。

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