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高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、血液中の尿酸濃度が正常値よりも高くなる状態のことを指します。尿酸はプリン体という物質から作られる代謝産物であり、体内にある細胞が分解された際に生成されます。一般的に、尿酸は腎臓によって排泄されるのですが、腎臓の機能が低下したり、尿酸の生成量が増えたりすると、血液中に過剰に尿酸が蓄積されることがあります。

高尿酸血症は、痛風発作の原因となることがあります。また、高尿酸血症が続くと、尿酸が関節や腎臓に沈着することで、痛風や尿酸腎症などの疾患を引き起こす可能性があります。高尿酸血症は、肥満や過剰なアルコール摂取、腎臓疾患、代謝異常などが原因となることがあります。

高尿酸血症の定義

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が正常値を超える状態を指します。一般的には、男性で血中尿酸値が7.0mg/dL以上、女性で6.0mg/dL以上が高尿酸血症とされています。ただし、高尿酸血症を診断するためには、症状の有無や尿酸値の変動などを考慮しなければならない場合もあります。高尿酸血症は、痛風や尿細管障害性腎症などの疾患のリスクファクターとなることが知られています。また、高尿酸血症自体が病気とは言えないため、通常は症状や合併症の有無、原因などに基づいて治療が行われます。

痛風(痛風発作)

痛風は、体内の尿酸値が高くなり、関節や組織中に尿酸結晶が蓄積して、急激な炎症を引き起こす疾患です。通常、体内にある尿酸は、肝臓での代謝によって排泄されますが、食事や代謝異常などの原因で過剰に体内に蓄積されると、尿酸結晶が関節や周囲の組織に蓄積し、急激な炎症を引き起こすことがあります。

痛風は、大きく分けて2つのタイプがあります。一次性痛風は、尿酸排泄が不十分な遺伝的な原因によるもので、二次性痛風は、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病、腎臓病、白血病、リンパ腫などの病気が原因で、尿酸排泄がうまくいかなくなったために発症することが多いです。

痛風の主な症状は、突発的な激痛や熱感、赤み、腫れがある関節の炎症です。特に、足の親指の関節が最も一般的な部位で、夜間や早朝に発作的な痛みが現れることが多いです。また、高尿酸血症が長期間続くと、関節症や石灰化性肩関節症、尿路結石などの合併症が発生することもあります。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症の原因は、主に以下の3つの要因によるものです。

  1. 食生活:高尿酸血症の最も一般的な原因は、高プリン食品の摂取によるものです。プリンは核酸の構成成分であり、高プリン食品にはレバー、ニワトリの内臓、肉類、魚介類、アルコールなどがあります。これらの食品を過剰に摂取すると、体内に過剰なプリンが蓄積され、尿酸の生成が増加します。

  2. 代謝異常:高尿酸血症は、代謝異常によっても引き起こされます。例えば、遺伝的な要因により、体内の尿酸の分解や排泄がうまくいかず、高尿酸血症を引き起こす場合があります。

  3. その他の要因:高尿酸血症は、肥満、糖尿病、高血圧、腎臓疾患、化学療法、放射線療法など、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。これらの状態では、体内での尿酸の生成や排泄が影響を受けることがあります。また、薬剤によっても高尿酸血症が引き起こされることがあります。

高尿酸血症の予防法

高尿酸血症の予防には、以下のような方法があります。

  1. 適切な食生活の維持:高尿酸血症を引き起こす食品や飲み物の摂取を控え、バランスのとれた食生活を維持することが重要です。具体的には、内臓や赤身肉、魚介類、アルコールなどを控え、野菜、果物、全粒穀物、低脂肪乳製品などをバランスよく摂取するよう心がけましょう。

  2. 適度な運動の継続:適度な運動を続けることにより、体重の管理や血液循環の促進などが期待できます。ただし、激しい運動や過度な運動は、尿酸値の上昇を引き起こすことがあるため、適切な運動強度と時間を守ることが必要です。

  3. 適切な水分補給の維持:適切な水分補給により、尿酸排泄を促すことができます。一般的には、1日に2リットル程度の水分摂取が推奨されています。

  4. 薬物療法の適切な使用:高尿酸血症の治療には、尿酸排泄を促す薬物や尿酸生成を抑制する薬物があります。適切な医師の指示に従い、薬物療法を行うことが予防につながります。

  5. 過剰なストレスの回避:過剰なストレスは、体内のホルモンバランスを乱し、尿酸値の上昇を引き起こすことがあります。適度な休息やストレス解消法を取り入れることで、高尿酸血症の予防につながることがあります。

高尿酸血症の治療法

高尿酸血症の治療法には予防法にも関連し以下のようなものがあります。

  1. ダイエットの改善:高尿酸血症の場合、食生活の改善が有効です。食事に含まれる purine(プリン)を制限することが重要で、ビール、内臓、赤身肉、魚介類などは制限する必要があります。また、肥満の人は減量することで尿酸値の改善が期待できます。

  2. 薬物療法:以下のような薬物が用いられます。

  • キサンチンオキシダーゼ阻害薬(アロプリノール):尿酸生成を抑制する薬で、一般的には尿酸値が高い場合に処方されます。
  • 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン):尿酸排泄を促進する薬で、尿酸生成抑制薬が効かない場合に処方されます。
  • プロベネシド:尿酸排泄を促進する薬で、尿酸生成抑制薬が効かない場合に処方されます。
  • コルヒチン:痛風発作の治療に使われます。炎症を抑える作用があります。

高尿酸血症による痛風発作が起きた場合、急性期にはコルヒチン、ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが用いられます。また、再発予防のために、慢性期にはアロプリノールやベンズブロマロンが用いられます。

尿酸を下げる薬の種類

尿酸を下げる薬には、以下のような種類があります。

  1. キサンチンオキシダーゼ阻害薬:キサンチンオキシダーゼは、プリン体から尿酸を作り出す酵素であり、その働きを阻害することで尿酸値の上昇を抑えます。代表的な薬剤にアロプリノールがあります。

  2. 尿酸排泄促進薬:尿酸を体外に排泄させる働きを促進する薬剤です。プロベネシドなどが代表的な薬剤です。

  3. 尿酸産生抑制薬:プリン体の代謝を抑制し、尿酸の産生を抑える薬剤です。フェブキソスタットが代表的な薬剤です。

これらの薬剤は、痛風発作を起こしている場合や、腎臓機能が低下している場合、または薬剤に対する過敏症がある場合には使用が制限されます。医師の指導の下で適切に使用されるようにしましょう。

痛風発作時の治療法

痛風発作時の治療法は以下のようになります。

  1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛風発作時には痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられます。代表的なものにイブプロフェンやナプロキセンなどがあります。

  2. コルヒチン:NSAIDsに対して効果がない場合や、NSAIDsが禁忌の場合には、コルヒチンが用いられます。コルヒチンは、痛風発作の痛みや炎症を和らげる効果があります。

  3. ステロイド剤:NSAIDsやコルヒチンによる治療がうまくいかない場合には、ステロイド剤が用いられることがあります。ステロイド剤は、炎症を抑える効果があり、急性期には比較的有効です。

痛風発作を治療する際には、患者の症状や合併症、薬剤耐性などによって最適な治療法が異なるため、専門医の指導のもと、適切な治療法を選択する必要があります。また、症状の緩和だけでなく、痛風の再発を予防するための治療も重要です。

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