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アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎・花粉症とは

アレルギー性鼻炎と花粉症は、どちらも鼻粘膜の過剰な免疫反応が原因で起こる疾患です。どちらも、非常に似た症状を引き起こします。しかし、両者の主な原因や症状には以下のような違いがあります。

【アレルギー性鼻炎】

  • 総称として用いられ、アレルゲン(花粉・ダニ・ハウスダストなど)によって引き起こされる炎症を指します。
  • アレルゲンに対する過剰な免疫反応が原因で、花粉症よりも多様なアレルゲンが原因となることがあります。
  • 花粉症と比較して、くしゃみや鼻水などの鼻症状の他に、目のかゆみや涙目、喉の痛み、咳などの症状がより顕著に現れることがあります。

【花粉症】

  • アレルギー性鼻炎の中でも、花粉によるアレルゲンによって引き起こされる炎症を指します。

  • 花粉が飛散する春先に発症することが多く、一定の時期に発症する季節性があります。
  • 花粉に対する過剰な免疫反応が原因で、主な症状は鼻水、くしゃみ、鼻詰まり、喉の痛み、目のかゆみ、涙目などです。

 

なお、アレルギー性鼻炎と花粉症は、互いに関連する病気であるため、花粉症がある人がアレルギー性鼻炎を併発することがあります。

アレルギー性鼻炎・花粉症の原因

アレルギー性鼻炎の原因: アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(異物質)に対する免疫反応が過剰に起こることで発症します。アレルゲンが鼻腔に入り、免疫細胞である好中球や好酸球が反応して、炎症を引き起こします。主なアレルゲンは、ダニ、カビ、ペットの毛やフケ、空気中の花粉などがあります。また、鼻腔の粘膜が乾燥し、アレルギー反応が起こりやすくなる乾燥した環境や、空気中の汚染物質などもアレルギー性鼻炎の原因となることがあります。

花粉症の原因: 花粉症は、主にスギやヒノキなどの植物の花粉に対する

免疫反応が過剰に起こることで発症します。花粉が鼻腔に入り、免疫細胞である好中球や好酸球が反応して、炎症を引き起こします。この炎症が鼻汁や鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を引き起こします。花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎の一種であり、春から初夏にかけて発症することが多いです。また、ハウスダストやカビなどの他のアレルゲンによっても花粉症の症状が引き起こされることがあります。

アレルギー性鼻炎・花粉症の予防法

アレルギー性鼻炎・花粉症の予防法には以下のような方法があります。

  1. 接触を避ける:アレルゲンと接触する機会を減らすことが重要です。外出時はマスクを着用し、室内でも窓を閉めて花粉の侵入を防ぎましょう。

  2. 室内の清潔を保つ:部屋の掃除や換気をこまめに行い、ダニやカビの発生を抑えます。

  3. 食生活を見直す:ビタミンCやオメガ3脂肪酸など、アレルギー症状を緩和する栄養素を含む食品を積極的に摂ることが大切です。また、アレルギー反応を促すとされる添加物や保存料を避けるようにしましょう。

  4. ストレスを軽減する:ストレスがアレルギー症状を悪化させることがあります。リラックスするための時間を持ち、適度な運動や趣味を楽しむことが良いでしょう。

  5. 薬物療法:症状が重い場合は、医師の処方による薬物療法が必要となります。抗ヒスタミン剤や副腎皮質ステロイド薬、漢方薬などが使用されます。また、アレルゲン免疫療法(減感作療法)という治療法もあります。

*オメガ3脂肪酸は、体内のさまざまな機能にとって重要な多価不飽和脂肪酸に属します。オメガ3脂肪酸の代表的なEPAやDHAは、脂肪が多い魚(たとえば、サケ、マグロ、マス)や甲殻類(たとえば、カニ、ムール貝、カキ)のような海産物に多く含まれます。

アレルギー性鼻炎・花粉症の治療法

アレルギー性鼻炎・花粉症の治療法には、以下のようなものがあります。

  1. 薬物療法
  • 抗ヒスタミン薬:アレルギー反応を起こすヒスタミンをブロックする薬で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和します。
  • ステロイド・抗ヒスタミン鼻スプレー:炎症を抑え、鼻づまり、鼻汁、くしゃみなどの症状を軽減します。
  • 抗炎症薬:ステロイド薬以外の抗炎症薬も使用されることがあります。
  • 舌下免疫療法:アレルゲンに対する免疫力を高めることで、症状を軽減する。具体的には、アレルゲンを注射する皮下免疫療法や、アレルゲンを舌下に含ませる舌下免疫療法があります(シダキュア・ミティキュア®)。
  • 抗体療法:重症・最重症のスギ花粉症に対して、2月~5月に抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療(保険適応)を行うことができるようになりました。一般の内服治療等でスギ花粉症による症状がおさまらない方にとっては、検討する価値の高い治療です。
  1. 生活習慣の改善
  • 室内の掃除や換気:花粉を室内に入れないように、掃除や換気をしっかり行いましょう。
  • マスクの着用:外出時にはマスクを着用することで、花粉の侵入を防ぎましょう。
  • 薬剤師や医師の指導を受けた上での食事やサプリメントの摂取:ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質が、アレルギー症状を緩和する可能性があるとされています。
  1. 手術療法
  • レーザー手術、アルゴン凝固術、後鼻神経切断術など。ご希望の方は適切な施設にご紹介することは可能です。一般的な手術選択の目安は、季節性のある中等度までの例(春先に限定しているなど)では、下鼻甲介粘膜焼灼術(レーザー手術・アルゴン凝固術)+後鼻神経凍結手術を、一年中症状があるが高度な症状でない場合は粘膜下下鼻甲介骨切除術+後鼻神経凍結手術を、高度症状、鼻の粘膜所見が強い場合は、粘膜下下鼻甲介骨切除術+後鼻神経切断手術を行います。

症状が軽度の場合は、薬物療法や生活習慣の改善で症状が改善することが多いですが、症状が重度の場合は、アレルゲン回避や免疫療法など、専門的な治療が必要になることがあります。

アレルギー性鼻炎・花粉症の治療薬の種類

アレルギー性鼻炎や花粉症の治療には、以下のような種類の薬が使われます。

  1. 抗ヒスタミン薬:抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応によって分泌されるヒスタミンを抑え、アレルギー症状を緩和する薬です。内服薬や点鼻薬、目薬などがあります。

  2. ステロイド薬:ステロイド薬は、炎症を抑える効果があり、鼻炎などのアレルギー症状の治療に使用されます。点鼻薬、吸入薬、内服薬などがあります。

  3. 抗アレルギー薬:抗アレルギー薬は、アレルギー反応に関わる物質を抑えることで、アレルギー症状を緩和する薬です。点鼻薬や内服薬などがあります。

  4. 免疫療法:免疫療法は、アレルギー症状の改善に向けた治療法の一つで、アレルゲンを少量ずつ投与し、免疫系の過剰反応を調整することでアレルギー症状を改善する治療法です。通常は、注射や舌下免疫療法(SLIT)が行われます。

これらの治療薬は、症状の程度や個人の体質に合わせて使用されます。治療薬を選ぶ際には、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。

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