メニュー

高血圧

高血圧とは

通常の血圧よりも高い状態を指します。血圧は、心臓が血液を送り出す力と、それに対抗する血管の抵抗力によって決まります。高血圧は、このバランスが崩れて、心臓や血管に負担をかけることで生じます。高血圧は、動脈硬化や心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクを高めるため、早期発見・早期治療が重要です。

高血圧の定義

高血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらか、または両方が正常値を超える状態を指します。一般的に、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上である場合に高血圧と診断されます。

ただし、高血圧の分類は以下のようになっています。

  1. 正常血圧 :収縮期血圧が120mmHg未満、かつ拡張期血圧が80mmHg未満の状態を指します。

  2. 血圧が高め :収縮期血圧が120mmHg以上、かつ140mmHg未満、または拡張期血圧が80mmHg以上、かつ90mmHg未満の状態を指します。この状態は、将来的に高血圧に進行する可能性があるため、注意が必要です。

3.1度高血圧 :収縮期血圧が140mmHg以上、かつ159mmHg以下、または拡張期血圧が90mmHg以上、かつ99mmHg以下の状態を指します。

4.2度高血圧 :収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が100mmHg以上の状態を指します。

5.3度高血圧 :収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上の状態を指します。

高血圧は、放置すると心筋梗塞や脳卒中、腎臓疾患などの合併症を引き起こすリスクが高くなります。適切な治療や生活習慣の改善によって、合併症を予防することができます。

高血圧緊急症について

高血圧緊急症は、急激な血圧の上昇によって、臓器障害や脳卒中、心筋梗塞などの重篤な合併症を引き起こす緊急性の高い疾患です。一般的な高血圧とは異なり、症状が急激に現れるため、早期の発見・治療が必要です。

高血圧緊急症の原因には、一般的な高血圧の他に、腎臓疾患、副腎腫瘍、自己免疫疾患、妊娠高血圧症候群、薬物性高血圧症などがあります。

高血圧緊急症は、収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上で、臓器障害が生じる可能性がある状態を指します。

高血圧緊急症は、血圧が急激に上昇するため、頭痛、めまい、意識障害、胸痛、息切れ、視力障害、下肢浮腫などの症状が現れます。このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診し、早期の治療を受けることが重要です。

高血圧緊急症の治療には、降圧薬の投与が主な治療法となります。しかし、降圧薬を適切に選択し、投与量を調整することが必要です。また、治療には入院が必要な場合もあります。

予防には、定期的な血圧測定、健康的な食生活、適度な運動、ストレスの管理などが大切です。高血圧やその他の疾患を抱えている場合は、医師の指導の下、適切な治療を行い、定期的な健康診断を受けることが必要です。

高血圧の原因

高血圧の原因は、一般的には複数の要因が絡み合って生じることが多く、以下のような要因が挙げられます。

  1. 食生活:塩分の過剰摂取、アルコールの過剰摂取、脂肪分の過剰摂取、野菜や果物の不足、食物繊維不足などが原因となることがあります。*塩分抑制は、高血圧を予防するためには非常に重要なポイントです。高血圧学会は、高血圧患者に対して1日の塩分摂取量を6グラム未満に抑えることを勧めています。

  2. 運動不足:運動不足により、肥満や内臓脂肪の蓄積が生じ、それが高血圧の原因となることがあります。

  3. ストレス:ストレスによって交感神経が刺激され、血圧が上昇することがあります。

  4. 喫煙:喫煙によって血管が収縮し、血圧が上昇することがあります。

  5. 遺伝的要因:高血圧は遺伝的な要因もあるため、家族歴がある場合は注意が必要です。

  6. 睡眠不足:睡眠不足によって自律神経が乱れ、血圧が上昇することがあります。

  7. 各種疾患:腎臓疾患や内分泌疾患など、各種の疾患によっても高血圧を引き起こすことがあります。

以上のような要因が挙げられますが、高血圧の原因は複数の要因が絡み合って生じるため、適切な治療法を選択するためには、原因を正確に特定することが重要です。

高血圧の予防法

高血圧の主な原因は前述のとおりです。つまり予防法としては以下のようなものが挙げられます。

  1. 健康的な生活習慣の維持:バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスを減らすなど、健康的な生活習慣を心がけましょう。

  2. 食事の改善:塩分の摂取量を減らしたり、野菜や果物、低脂肪な肉や魚、豆類などをバランスよく食べるようにしましょう。

  3. 運動の習慣化:運動不足は高血圧の原因となりますので、毎日運動をする習慣をつけましょう。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、筋トレなどの筋力トレーニングが効果的です。

  4. 減量:肥満は高血圧の原因の1つとなっています。BMI(身長と体重のバランス)が25以上の人は、減量を心がけるようにしましょう。

  5. アルコールの摂取量の抑制:アルコールの過剰摂取は高血圧の原因になります。適量を守りましょう。

  6. 喫煙の禁止:喫煙は高血圧を引き起こす原因の1つです。禁煙を心がけましょう。

  7. ストレスを減らす:ストレスは高血圧の原因になることがあります。ストレスを減らすために、ストレス発散法やリラックス法を取り入れましょう。

以上のような予防法を実践することで、高血圧のリスクを減らすことができます。しかし、高血圧は遺伝的な要因による場合がありますので、定期的な健康診断を受け、早期発見・治療を行うことも重要です。

高血圧の治療法

高血圧の治療法には以下のようなものがあります。

  1. 生活習慣の改善: 食生活の改善、運動、ストレス管理などの生活習慣の改善によって、血圧を下げることができます。

  2. 薬物療法: 血圧を下げる効果のある薬物を服用することで、高血圧の治療が可能です。主に降圧剤と呼ばれる薬が使われます。降圧剤は、利尿剤、β遮断剤、カルシウム拮抗剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤などがあります。

  3. 治療的な手段: 病気が原因で高血圧になっている場合には、その病気を治療することで高血圧を改善することができます。例えば、腎臓病を原因とする高血圧には、腎臓病の治療が必要となります。

治療法は、患者さんの状態や症状、年齢、病歴、合併症などに応じて、医師が適切な治療法を選択します。治療の過程で、血圧の定期的な測定や、薬物治療の効果や副作用の確認、生活習慣のアドバイスなどが必要となります。

降圧薬(血圧を下げる薬)の種類

降圧薬には、以下のような種類があります。

  1. ACE阻害剤:血管を拡張して血圧を下げる効果があります。主な副作用には、咳や低血圧、腎機能障害があります。

  2. ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤):ACE阻害剤と同様に血管を拡張して血圧を下げる効果があります。主な副作用には、低血圧や頭痛、めまい、腎機能障害があります。

  3. カルシウム拮抗剤:血管を拡張して血圧を下げる効果があります。主な副作用には、頭痛やめまい、動悸、便秘などがあります。

  4. β遮断薬:心臓の働きを抑えて血圧を下げる効果があります。主な副作用には、低血圧、心拍数の低下、呼吸困難、めまいなどがあります。

  5. 利尿剤:利尿作用によって血圧を下げる効果があります。主な副作用には、低血圧、尿量の増加、低ナトリウム血症があります。

  6. α遮断薬:血管を拡張して血圧を下げる効果があります。主な副作用には、低血圧、めまい、頭痛、動悸などがあります。

これらの降圧薬は、血圧を下げる効果がある一方で、副作用も存在します。ただし、降圧薬の種類や副作用については、個人差がありますので、医師の指示に従って適切に服用することが重要です。また、服薬中に不快な症状が現れた場合は、すぐに医師に相談することが必要です。

以下は一般的に使用される降圧薬の種類と主な副作用の例です。

降圧薬の種類 代表的な商品名 主な副作用の例
利尿剤 ラシックス、ダイアート 頻尿、尿量増加、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症
β遮断薬 インデラル、カルベジロール 動悸、疲れ、体重増加、冷え性、肺機能低下
ACE阻害薬 カプトプリル、エナラプリル 咳、めまい、低血圧、高カリウム血症
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) バルサルタン、ニューロタン 腎機能障害、めまい、低血圧、頭痛
カルシウム拮抗薬 アムロジピン、ニフェジピン 頭痛、顔面紅潮、浮腫、低血圧、心拍数減少
α遮断薬 プラゾシン、ドキサゾシン 低血圧、めまい、頭痛、動悸、口渇
中枢性降圧薬 カタプレス、メチルドパ 頭痛、めまい、嘔気、低血圧、眠気
直接血管拡張薬 ヒドララジン、ニトログリセリン 頭痛、めまい、顔面紅潮、心拍数増加、低血圧

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME